昨日の記事の続報です。
本日、ペツル側の見解が発表されました。結論から書くと、現時点では「安全措置として、ペツルは 『ジグザグ』 の使用を中止するようお願いいたします。」とのことです。そして、5月22日までに更なる続報を出すとのことです。
詳しくはペツル日本代理店のアルテリアのこちらのページをご覧ください。
事故原因としては、やはりロープアタッチメントホールにあるようです。ここに取り付けたカラビナが変な方向を向いている場合、栓抜きみたいな感じでロープアタッチメントホールにテコ荷重が加わって破断させるみたいです。(このカラビナ位置は文字で表現しにくいから、是非リンク先の写真をご覧ください。)
【ここから先は個人的なつぶやき】
うーん、これは……。残念だけど、ペツルの設計ミスだと思います。薄く、小さくしすぎちゃったんだ。
(追記0423:この記事を書いた当初、事故の原因について何か勘違いをしていたっぽいです。現在、こうじゃないか?と思う原因はあるんですが、実際にZIGZAGを手にとって試してみないとわかりません。ケース2の意味がわからなくなってきました。とりあえず以下の文章はすべてお蔵入りにします。打ち消し線で消しておきます。)
とりあえず、この見解を読んで、私は「あれ、これってもしかしてARTのスパイダージャックとロックジャックでも同様の現象が起きるんじゃね(汗)」と真っ先に考えました。
が、それは杞憂でした。スパイダージャックはそもそもロープアタッチメントホールがない(参考リンク)、もしくはダイニーマ。ロックジャックは本体が丸いから、カラビナをてこにするための支点がない。(その代わり、ロックジャックは木製取っ手にカラビナがはまってしまう危険性があります。ロックジャックと大型カラビナの組み合わせはNGです。参考リンク)
その点、ZIGZAGは小さくて薄いでしょ。しかもあの三角形部分の飛び出した突起。この事故が起きた後で見ると、カラビナひっかかってくれと言っているようにしか見えなくなりました。
また、そもそもロープアタッチメントホールにカラビナを取り付けるときにコーナートラップ等を使って、メジャーアクシス方向から動かないように固定するべきじゃね?と感じる方もいるかと思います。もちろんその通りでしょう。でも今回はそういう問題じゃないと思うんですよね。
他のギア、例えばヒッチクライマーでも、見解ページにあるテストケース2にあたる現象は起こり得ます。これを起こさないためにコーナートラップを使うんです。ただ今回の問題はケース3なんですよ。この猛烈にいやらしい位置にカラビナが固定されちゃうような設計をした、これこそが今回の事故の一番重要な問題だと思います。
まあ、なんだかんだ言って、現状はコーナートラップでカラビナ方向を固定するしか解決方法がない気もしますがどうなんだろ。とにかく、5月22日までに発表される予定のペツルの続報が出るまで使用を中止したほうが絶対いいと思います。