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Armor Prusを分解して遊ぶ

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ニュージーランドのロープメーカーDonaghys(ドナジー)が発売している、Armor-Prusっていうフリクションコードがあります。こないだ暇だったので、このコードを分解して遊んでみました。その結果をお伝えします。

ちなみにDonaghysのメーカーサイトはこちら。日本代理店はこちらっす。Donaghysはマリン系のロープメーカーでして、日本代理店もそういったノリのお店です。木登り関係の話を聞いても、代理店が把握していない可能性は充分考えられますので、質問する時はお気をつけて。(どうでもいいけど、日本代理店のサイトでは「オーストラリアのロープメーカー」となっています。どっちが本当なんだろ?)

現段階で私が知っているArmor-Prusの仕様はこちら。
Armor-Prus (8mm)  (他に10mmもあり)
構造:ダブルブレイド
外皮 テクノーラ/ポリエステル
内芯 スペクトラ900/ケブラー (6つはスペクトラ100% 2つは50/50%)
指定スプライス クラス2 ? 
Tensile Strength 2800kg

では分解の様子を、写真を交えてどうぞ。

Dsc02092_s→① これがArmor-Prusです。写真のものは8mm。スプライス練習した余りです。Armor-Prusは結構いい値段するので練習にはもったいないんですが、すごくスプライスしやすいです。内芯のスペクトラのおかげかな。
まあ私は「フリクションコードは買う」派なので、練習する必要なんてないんですけどね。余程のスプライス好きじゃない限り、フリクションコードは自作しないほうがいいと思います。あまりにリスクが高い。

Dsc02100_s ←② 外皮と内芯に分解してみました。 両者の長さがびっくりするくらい違いますけど、気にしないでください。こんなもんです(ほんと?)。
外皮はまだら模様。YaleのImoriもこんな感じの模様ですよね。。スプライスの時、ストランドにマークしても目立ちにくいので、私はこの模様が好きになれないんですよねえ。同じ理由で黒い繊維を使ったロープも嫌いです。YaleのBandit、お前のことだ!


Dsc02101_s_2→③ 外皮をストランドごとに分解。合計24本でした。つまり24ストランドってことです。外皮のストランド数を把握しておくことはスプライスの時に非常に重要になります。テーパーを作る時、計算が違ってきますんでね。
写真の最下段、左から2個目を見てください。ストランドが更に2つに分離していますよね。Aromor-Prusのストランドは、Tenex TECみたいに2つで1ストランドになっています。なんかわかりにくい日本語ですみません。


Dsc02104_s_2 ←④ 外皮のストランドを更に接写。2本で1ストランドっていう意味が理解していただけるでしょうか。
黒色の束、緑色の束を撚ったものが1本であり、それを2本セットにしたものが1ストランドになります。うーん言葉で説明するとややこしい。わかりますかね?


Dsc02103_s_2→⑤ 燃焼実験してみました。(単純にライターで炙ってみただけ。) 緑の束は燃えました。写真中央付近に溶けて黒くなった塊が見えます。それに対して黒色の束はわずかに溶けただけ。前述の仕様から鑑みるに、
緑の束→ポリエステル
黒色の束→テクノーラ
ポリエステルとテクノーラをストランド単位ではなく、もっと手前の段階で混ぜ合わせている。外皮全体にポリエステルとテクノーラをまんべんなく配置するための手段なんだろうと思います。そのせいでまだら模様になるんです。


Dsc02105_s ←⑥ 次は内芯を分解していきます。8ストランドですね。右上の2つだけ金色の束と白色の束が半分ずつになっており、残りは白色の束が2つで1ストランドになっています。
ちなみにAromr-PrusやBee-Lineといった高性能フリクションコードには、何かしらの高性能繊維(ダイニーマとかスペクトラとか)が使われています。これらの繊維をカットするにはそれなりの刃物が必要です。私が使っているのはホムセンで買ってきた「鉄腕ハサミ」1000円くらい。刃の奥がギザ刃になってて切りにくいからあまりお薦めしませんけど。

Dsc02109_s_2→⑦ 燃焼実験。手前側が燃やしたものです。白色はモニョモニョと溶けて縮んでいます。金色はちょっと黒くなっただけで燃えませんでした。仕様から想像すると
白色→スペクトラ
金色→ケブラー
(スペクトラってのはHoneywell社の商標でして、ダイニーマと特性は全く同じと考えていただいて結構です。)



【まとめ】

色々と面白い発見があって楽しかったです。外皮のまだら模様にもちゃんとした意味があることに気付けたのは幸いでした。「アイロンの電源コードみたい」なんて言ってごめんなさい。

あと内芯。内芯にスペクトラを使うのは流石マリン系メーカーって感じですね。ヨット用のロープを調べると頻繁に使われているんですよ。(ベクトランもよく使われていますけどね。)

この結果は、気が向いた時に右カラムにある高性能コード仕様一覧に追加しておきます。

ただやっぱりねえ、木登り屋がフリクションコードとして使うには、スペクトラ(ダイニーマ)素材は怖いっす。耐熱性があまりにも乏しい。いくらケブラーの束もちょっと入っているとはいえ、私個人としてはArmor-Prusをフリクションコードに使うのはあまり好きじゃないです。あの柔らかい感じは好きなんですけど…。

どっこいところが!Treetoolsのブログによると、Armor-Prusの内芯をポリエステル素材に変更した「Armor-Prus Polyester」が新しく発売されるみたいです(参考リンク)。これいいなあ。

個人的には、どうせフリクションコードなんて消耗品なんだから、いっそのこと内芯はポリエステル素材のほうが嬉しいんです。堂々とClass1スプライスできるし。高性能繊維はむしろ外皮に使って欲しい。この路線は今までオーシャンポリエステルしかなかったんですが、両者は感触が全然違う(OPは堅い、APは柔らかい)し、選ぶ楽しみが増えましたね。


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